【原題】Dangerous Poisons
【製作】1988年 米 作品賞ノミネート
【監督】スティーヴン・フリアーズ
【配役】メルトイユ侯爵夫人/グレン・クローズ
ヴァルモン子爵/ジョン・マルコヴィッチ
トウールヴエル夫人/ミシェル・ファイファー
セシル/ユマ・サーマン
【あらすじ】
18世紀。フランス革命前夜のパリの貴族社会。人々は贅の限りを尽くした甘美な暮らしに酔いしれ、それぞれの快楽を追い求めていた。そんな社交界の大輪として君臨するメルトイユ侯爵夫人は、彼女の恋人バスティード伯爵が若い娘と結婚するらしいという噂を耳にしたことから、かつての愛人であり、社交界きってのドンファンとして名高いヴァルモン子爵を使って、当のボランジュ夫人の娘である美しき処女セシルの純潔を踏みにじろうとする…。
【批評】緩慢な貴族どもの遊び
他にすることがない貴族たちの遊びという一言で片付けられてしまうテーマを、映画としてストーリーだてて見せています。冷静に考えれば、こいつら何やってんの?という言葉しか思い浮かびませんが、それは言わない約束…。
さて、映画の方はというと、これが思いのほか楽しめました。メルトイユ侯爵夫人とヴァルモン子爵の悪巧み(人を騙して、人の大切にしている純血を踏みにじる。理由は、言ってみれば退屈だからか。)は、最初に“私はこうする”と目的が明示されるので、それがどのように達成されるのか非常に興味を持って中だるみすることなく観る事ができます。
しかし、その過程がやや???で、何故、あの高潔で貞淑なトウールヴエル未亡人が、ヴァルモン子爵に心がなびいたのかが、理解できません。それがきっちり明示されているわけでもなく、そこの過程がこの映画の中で一番重要なのに、おやふやなまま進んでいったことが残念でなりませんでした。
ラスト、当初の目的を全て達成したはずのメルトイユ侯爵夫人の発狂振りの原因は、実はまだ気のあるヴァルモン子爵が予定外に死んだことでしょうか、それともそのヴァルモン子爵が最期にトウールヴエル夫人に永遠の愛を語って死んだことでしょうか。恐らく後者でしょう。
トウールヴエル夫人を演じたミシェル・ファイファーの美しさには脱帽。高潔で貞淑な女性という設定は、はまり役ではなかったでしょうか。ずっと興味を持って観れたのは、彼女の存在おかげかも知れません。

